よくあるご質問 ささの耳鼻咽喉科
Q1、舌が痛い。口の中全体がヒリヒリする。味がしない。口内炎ができた。
A いずれも原因はよくわかっていません。私は胃機能の低下がもともとの原因と考えています。
それによって胃酸が口腔内まで逆流し、その刺激で口内にもともと常在しているウイルスが目を覚まし(再活性化)、炎症性物質(サイトカインという)や痛みの物質(サブスタンスPなど)を出していると考えているわけです。
実際、胃酸を抑えるか胃機能を高める薬と、ウイルスを抑える薬を処方しますとよく効きます。
ただし、半年以上続いているような患者さんではあまり効果がでません。
多分、組織にすでに変化が起こってしまっている(ゴムが日にあたり続けると固くなるように)のではと想像しています。
ここで、少し胃機能の低下の原因についてお話します。
ストレスなどの交感神経興奮や、ビールや冷たい飲み物で胃の動きは一瞬にして悪くなります。
また、食事での噛む回数の減少も関係します。ある本によりますと、江戸時代までは日本人の食事1回での噛む回数は3000回、戦前までは1600回、最近は何と600回だそうです。
唾液と十分に混じり合っていない、そうしてよく砕かれていない食物を処理する十分な能力がまだ胃に備わっていない(遺伝子の改変が追い付いていない)のではと想像しています。
Q2、くるくる回るめまいを繰り返していて、メニエール病と言われている。
A メニエール病は耳の一番奥の部屋(内耳)の水膨れ(内リンパ水腫という)が原因と言われています。
しかし、これは結果であって原因は札幌の開業医七戸先生がいうように(七戸満雄・めまいは治せる:文芸春秋発行)、ある種の常在ウイルスの再活性化と私は考えています。
ウイルスの活性化による炎症でいろんな反応物質(サイトカインなど)が放出され、先ほどの内耳における水と電解質の輸送がうまくいかなくなってしまったためでしょう。
ただし、日本のめまい学会は、七戸先生の説は全く根拠がないとして否定しています。
私もこのめまい学会の一会員ですのでこのくらいにしておきます。
尚、効果のほうは劇的にというわけにはいきませんが。
Q3、のどの奥がイガイガする、咳が長引いて薬を飲んでも治らない。
子宮内膜症の下肢痛
A 乾いた長引く咳の原因にはいろいろあります。代表的な病名を上げてみますと、アトピー咳嗽、咳喘息、マイコプラズマやクラミジアによる咳、胃酸逆流による咳などです。
また、最近は百日咳も時々あるようです。
ただ私は、ほとんどの咳に胃酸の逆流が関係しているのではと考えています。
説明しますと、胃酸が上がってきて、のどを刺激するとのどのイガイガやヒリヒリ(咽喉頭異常感症という)を起こし、さらにその上までいくと鼻の奥のイガイガ感や鼻の奥に流れる感じ(後鼻漏という)が出現します。
逆に肺のほうの気管に流れ込むと、気道の慢性の炎症を起こします。
そうしますと気道の常在ウイルスの活性化も引き起こし粘膜がますますただれます。
ただれた粘膜では普通は素通りしてしまうダニや花粉などの抗原が、傷ついた粘膜の下に入り込みアレルギー反応を起こしてしまいます。また、マイコプラズマやクラミジアは細胞の中に入り込んで、かってに居候しているようなバイ菌です。
普段はおとなしくしているのですが、先ほどの炎症の刺激によって目を覚まし増えてしまった結果、気管支炎などを起こしてくるようです。
したがって、治療としては胃酸の薬、アレルギーの薬か抗生物質(アレルギーかマイコプラズマやクラミジアのバイ菌かはOリングで判定しています)、漢方薬、時に咳止めやウイルスの薬を使って治療しています。
効果的な場合と、なかなか治らず再検討してみると途中で病気の原因が変化(例えばアレルギーからバイ菌へ)し、今までの治療が合わなくなっている場合があります。
薬を変えてやるとよく効きます。
Q4、2歳の子供、中耳炎を繰り返していて、なかなか耳だれが止まらない。
気分循環性障害
A 最近は繰り返す中耳炎の子供さん(特に3歳以下)が増えています。保育所に預けているお子さんに特に多いです。
まだ免疫力が弱いため、年長のお子さんからバイ菌をもらってしまうためと言われています。
ただ、私はどうもそういったお子さんを診ていますと、胃の機能が低下し、そのため胃酸の逆流がおこり、それが中耳炎の引き金になっているのではと考えるようになりました。
もしかしたら小さいお子さんにとって、そばに母親がいないということは相当のストレスになっているのかもしれません。
ところで、最近のバイ菌は薬(抗生物質)に強くなっていますので、病院からの薬でなかなか治ってくれません。
こういったお子さんには、お母さんの承諾があればBスポット療法(鼻の後ろの部分に直接、口から薬を塗る方法です。
私のホームページを参照下さい。)を行っています。
血が少し出ますし、痛い治療なので子供さんは泣きます。
週に2から3回治療していくと、しだいに中耳炎が治っていくことが多いです。
また、この治療でいったん治ると、その後風邪や中耳炎にかかりにくくなりますので大変効果的な方法です。また不思議とこの治療を過去に受けていたお子さんは、素直に成長する印象があります(私の思いこみかもしれませんが)。
ただ、やはり痛いので子供さんは大変いやがり、お母さんも見かねて断られることも多いです。
お子さんの将来を考えての、お母さんの理解がぜひ必要です。
尚、この治療法の対象は3歳未満のお子さんです。3歳過ぎると子供さんが口を開けてくれません。
尚、この治療法は滲出性中耳炎にも有効です。
Q5、耳や耳の周囲、時にはさらに頭までピリピリ痛くなる。
A 若い女性で色白、痩せた感じの方(いわゆる冷え症の人)に多いようです。
片頭痛を起こしやすいタイプと同じです。
胃酸の逆流による刺激、冷えによる免疫力の低下などによってウイルス(ヘルペス属など)が再活性化したのではと考えています。
神経痛に使う薬やウイルスの薬が効果的です。
また、漢方で冷えの体質改善も長い目で見るととても大切です。
Q6、鼻アレルギーや喘息があり、できれば体質を変えたい。
A これらの病気の方は、胃や小腸の機能が低下していることが多いように感じます。
Q1で述べた胃を大切にするために、冷たいものをあまり食べない飲まない、よく噛んで食べるなどの食習慣の改善が基本だと思います。
さらに、胃や小腸の機能を改善するための薬や漢方薬を補助的に処方しています。
しかし、中々効果が上がってくれません。継続が大切でしょう。
電気ショックの治療に関する最新の研究
Q7、48歳の女性、のどに詰まった感じがしてとれない。
A もちろん、下咽頭の癌などのチェックが必要です。しかし、ほとんどの場合はっきりした所見がなく、咽喉頭異常感症という診断名になり原因は不明です。
私はやはり胃酸の逆流による炎症→さらにのどの常在ウイルス再活性→炎症の悪循環が起こっているのではないかと考えています。
それぞれに対応した薬(胃酸を抑える薬か胃の動きを良くする薬、ウイルスの薬、炎症の薬など)の処方となります。
Q8、20歳女性、急に片耳がつまったようになり、少し聞こえにくい、なんとなくふらふらするようにもなった。
A 多分、ストレスなどのあとに若い特に女性に多い低音障害型突発難聴と思われます。特に冷え性の方に多いような印象があります。
経過は一般に良好ですが、中には難聴が残る人、繰り返す人、めまいを伴いメニエール病に移っていく場合もあります。
Q9、急に発熱し、寒気、節々の痛み、筋肉の痛みがでてきた。
A インフルエンザなどのウイルスによる風邪の初期症状だと思われます。こういった風邪のひき始めには、漢方の葛根湯や麻黄湯などがとても効果的です。
ただし、普通の量では効きにくく倍量くらいを、汗がでるまで2~3時間おきくらいにお湯に溶いてゆっくり飲むのがコツです。
Q10、すぐに耳垢がたまり、耳鼻科で採ってもらう時に痛みがあり、毎回大量の耳垢が出てくる、外耳炎がいつまでも治らない。
A 普通の耳垢ではないようです。一部こういった治りにくい外耳道炎のなかに外耳道の皮膚の中に、ある種のウイルス(ヒトパピローマウイルス類)が入り、皮膚のカワを増やす物質(上皮成長因子という)を放出しているのが原因の場合があるようです。
ウイルスの活動を抑えてやるような軟膏を塗ってあげると結構効果的です。
真珠腫性中耳炎や真珠腫性外耳道炎という白いカスがたくさん溜まる耳の病気がありますが、同じ原因だと思います(皮膚科で尋常性乾癬という病気がありますが、それの耳版かもと考えています)。
Q11、子供の鼻すすりが治らない、また最近はそのために耳が悪くなったと病院で言われた。
A 鼻すすりはその子のくせといわれています。
しかし私は、胃酸の鼻の奥(上咽頭)への逆流のためだと考えています。そのため、鼻の奥がただれ、気持ち悪いので鼻すすりで出そうとしているのです。
また、この部分は耳(中耳)とつながっているので中耳炎も起こしやすくなります。
原因が取れないと中耳の炎症は長引き滲出性中耳炎という病気にもなります。
尚、風邪の後の中耳炎は、のど→胃の機能低下→胃酸の逆流→再びのど→中耳となるので、風邪の治りかけに起こることが多いようです。子供は大人よりも胃酸の逆流が頻繁に起こっているのではとの印象をもっています。
子供の肺炎や喘息の発作などにも関係しているとの論文もあります。
治療は子供の場合、胃薬などがなかなか使いにくいのでむつかしいのですが、漢方や一部の胃薬、抗生剤などで対処しています。
Q12、健康食品(サプリメント)を人に勧められて、3種類食べ始めました。本当に自分の体に合っているか心配です。
A サプリメントも薬と一緒で、他人に良いからといってあなたにも合うとは限りません。
また、1回に食べる量も個人差がありますし、他のサプリメントや病院でもらっている薬と合わない場合も結構あります。
サプリメントを持参のうえ、御来院いただければ、Oリングという方法(詳しくは私のホームページかOリング協会のホームページを見て下さい)で、合うかどうか、適量、他のサプリメントなどとの飲み合わせを見てみます。
(尚、御来院当日はサプリメントを食べないで来院して下さい。)
Q13、鼻の奥がヒリヒリする、鼻の奥に何か詰まったような感じがする、鼻の奥からのどに流れる感じがするが鼻をかんでも鼻水は出てこない等の症状が続き不快で悩んでいる。
A こういった症状を持っている患者さんは意外と多いです。
しかし、耳鼻科の本には病名もなく、ほとんど記載されていません(後鼻漏として少し載ってはいますが)。
私はほとんどの場合、胃酸の鼻の奥(鼻咽腔)への逆流が原因と考えています。
胃酸には塩酸やペプシンなどの酵素が含まれており、その刺激で鼻咽腔の炎症を起こし、さらに常在のウイルスやバイ菌が活性化され炎症がさらに悪くなっていつまでも治らないのではと考えます。
胃酸の薬(漢方薬も含め)、ウイルスやバイ菌の薬で対処しています。
Q14、最近耳鳴りがするようになり、とても気になる。
A 耳鳴りの原因はまだよくわかっていません。そのため、薬も決まっておらず、一般に血のめぐりを良くする薬、神経に作用すると言われているビタミン剤、漢方薬、安定剤などが処方されます。
私は耳というよりも、頭の中の病気ではと考えています。
頭の中にある聞こえの神経中枢で、ストレスなどの刺激により常在ウイルスが活性化する。
そうするとその周囲が腫れ、血流が悪くなって活性酸素などが増え、結果として神経細胞の膜の構造が変化し正常な活動ができなくなってしまっていると考えています。
血のめぐりを良くする薬、ウイルスを抑える薬、腫れをとる薬、活性酸素を抑制し神経細胞の膜機能を改善する薬などを使っています。
しかし、残念ながら耳鳴が軽くなってくれない患者さんも少なくありません。
Q1でも話したように長く続いている方は神経が変性(古くなったゴムのように)している場合もあり、薬の効果が低下します。
わたしが考える胃と関連する疾患を図にいたしましたので参考にして下さいませ。
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