最近、自殺対策の一環としてうつ病対策が進められる一方、何でも「うつ病」と安易に診断する過剰診断や、薬理学すら無視した向精神薬の過剰投与の問題がクローズアップされてきている。
これは、メンタルヘルス対策や自殺対策という大義名分に注意が奪われるあまり、精神医療現場で実際に何が起きているのかについてほとんど考慮してこなかったツケを今になって払っているということである。多数の被害者を生み出している現場に直面せず、精神科受診を促進すれば自殺を防ぎ、国民の心の健康を守れるという精神科医の甘い言葉に騙されてきた結果である。
うつ病という概念や抗うつ薬の効能について、精神医学会は完全に国民をミスリードしてきた。この10年で真実が次々と明らかになり、精神科医の嘘や誇張が暴かれている。うつ病治療の第一人者とされている精神科医の過去の発言と、それに対する事実を比較すればよくわかる。(添付資料参照)
そして、精神医学会は過去の誤りや過ちを反省することなく、うつ病対策に予算を取り付けるため、さらなるうつ病キャンペーンを展開している。抗うつ薬について、重大な副作用はないと大衆の前で散々発言を繰り返してきた精神科医は、抗うつ薬に攻撃性や異常行動を引き起こす危険性(アクティベーション症候群)があることが厚生労働省によって注意喚起されるや、そのような副作用が起こり得ることを「当初からわかっていた」と臆面もなく発言している。(日経新聞2009年8月16日朝刊参照)
特筆すべきは、このようなうつ病治療の第一人者と呼ばれる精神科医が、国家公務員という立場にありながら、製薬会社と親密な関係にあるということである。(添付資料参照)
興味深いことに、日本のうつ病キャンペーンを古くから支えてきた団体、JCPTDが「うつをこえてbeyond the blue」をモットーとした新たなうつ病キャンペーンを打ち出し、10月2日に都内でシンポジウムが開く予定であるが、そのような精神科医が基調講演をすることになっている。
精神医療産業の悲願は、うつ病を国民三大疾患と位置付けることで、政府から莫大な予算を獲得することであり、精神科受診を促進することである。しかし、うつ病とは正確には疾患ではなく、精神医学会が作り上げた概念に過ぎない。しかし、このようなあいまいな概念が一般開業医や小児科医にまで広がっている。「身体疾患に伴ううつ状態に対しても、SSRIは安心して使用できる(01年11月、臨床成人病31巻11号)」と上記精神科医が「うつ病」ではない「うつ状態」への投与を推進してきた結果、安易な診断や投薬の裾野は広がる一方である。
精神科医が決して大衆に伝えない、うつ病の真実は以下の通りである
事実1:うつ病を病理学的に「疾患」であると証明する根拠は一切存在しない(正確には症候群である)
事実2:うつ病の診断基準は、製薬会社と密接に関係する精神医学会が多数決で(すなわち科学的ではなく政治的に)定めた主観的な基準に過ぎない
事実3:生きていれば誰もが経験する「うつ状態」とうつ病を客観的に鑑別する手段は存在しない
事実4:精神科医や製薬会社はうつ病の原因を「セロトニンの欠乏」と証明されていない仮説で説明しているが、実際の診断ではそれが測定されるわけではなく、その仮説と何ら整合性のない診断基準による問診で診断が下されている
事実5:うつ状態を引き起こす身体症状は多数存在する(甲状腺の異常、低血糖症、ビタミン欠乏症など)
事実6:うつ病の診断基準では、上記身体症状の影響が十分に考慮されておらず、誤診や過剰診断を防ぐ措置がとられていない
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